八橋夫婦
1970年9月生まれ。神戸市灘区出身。
非農家家系で、会社員だった父と理髪店を営んでいた母の長男として産まれる。
5歳年下の妹が一人。
現在は1歳年下の妻と神戸市西区平野町にある畑から徒歩圏内の賃貸物件で二人暮らし。
【就農までの道のりと現在地】
ちょっとしたエピソードを交えております。就農をお考えの皆さまのご参考になれば幸いです。
知り合いの両親の畑の手伝いに、力仕事要員として声がかかり、初めて本気の土に触れる。
体格もよく、そこそこ動けたこともあり、重宝され(笑)調子に乗る。
翌年も声がかかり、耕運機などの農機具を使わせてもらい、ますます調子に乗る。
・2013年4月 神戸市西区伊川谷町の市民農園で家庭菜園を始める。どっぷりはまった感じで、完全に趣味となり、就農までの7年間続けてました。
株式会社アグリメディアが展開する「シェア畑」で菜園アドバイザーとしてアルバイトを始める。※現在も在籍中
当時は会社員でしたが、なんとなく農業を仕事にしたいと思い始めてた頃でした。仕事を辞めて就農するほどの根性はまだありませんでしたし、趣味程度の家庭菜園の経験や知識しかありませんでしたので、もう少し農業について学びたいと思い、いろいろ探している中で見つけました。シフト制で週2日程度、3、4時間の勤務という条件でしたので、会社員の私でも採用してもらえました。
余談ですが、当時の最低賃金の800円台でのスタートでした(笑)
また、ちょうどその頃に有機やオーガニックと言う言葉に出会っており、アグリメディアのシェア畑は有機質の肥料と無農薬で野菜作りをしていましたので、すごく興味深かった記憶があります。
淡路島の自然栽培農家さんで本格的に農業を学び始める。
当時、どこまで就農の決意があったかは、はっきり覚えていませんが、会社を辞めていたことは事実です。もちろん生活していかないといけませんので、派遣で配送の仕事をしながら淡路島まで通ってました。
オーガニックの先に、自然栽培、自然農なるものがあることを知り、すぐに飛び込みました。オーガニックの先にと表現したのは、当時は農業の最高峰は自然農、自然栽培だと誤った認識をもっており、同じ農業をするなら最高峰のステージでと、全く不純な動機だったと記憶しています。
でも、本当に無肥料や不耕起で野菜が育つのだろうかと、ものすごく関心がありました。
神戸市西区平野町向井で圃場面積約4100㎡の農地をお借りして新規就農。
実際に就農するまでの道のりはかなり険しかったです。
非農家の私が見知らぬ土地で農地をお借りすることの難しさを思い知らされた日々でした。神戸市西区伊川谷町の市民農園を利用してましたので、馴染みの場所でもありましたし、当時の自宅から近かったという利点もあり、伊川谷周辺で農地探しをはじめました。
結果的には伊川谷周辺では農地をお借りすることができず、平野町向井で自分で農地を見つけることができ、なんとか就農できました。
ちなみに、淡路島には1年ほど通ってましたので、「就農するならここの畑使うか?住居もあるよ」とお世話になった方がお声掛けをしてくださっていました。本当に本当にすごく有難かったのですが、移住する決断が出来ずお断りしました。
※農地探しのお話はまだまだありますので、これから就農をお考えの皆さま向けに今後、発信していきたいと思っております。
神戸農業改良普及センターの紹介で、近隣の有機JAS認証農家さんに弟子入り。
就農後に弟子入りするのは珍しいかもしれません。当時の普及センターの職員さんが導いてくださいました。先ほども書きましたが、自分の足で農地を見つけたり、自然栽培を学んできた私は鼻が伸びていたのかもしれません。
師匠は地元をはじめ、西区内でも知名度のあるオーガニック農家の第一人者的な方でした。
私の就農までの道のりを決して否定せず、「いろんな経歴の人がいる方がいい」とむしろ尊重してくださいました。それでいて今の農業の現状や農業者としての在り方、地域との関わり方などをしっかりとお話してくださりました。「農法や栽培方法の垣根を超えて、農業者みんなで進んで行かんと。ええ、わるい違うんや。まずは続けていくことが大事で、継続できる農業をやらなあかん」と何度も何度もおっしゃっていたのが今でも強く心に残っています。
青年等就農計画認定。認定新規就農者となる。
当時の神戸市農政計画課の若手職員さんの勧めもあり、師匠を紹介してくださった神戸農業改良普及センターの職員さんをはじめ、お世話になったすべての職員さんのご協力に感謝いたしております。
有機JAS認証取得。
師匠の強い勧めと、就農地が耕作放棄地で、有機JAS適合の要件の一つがすでにクリアできていたためすぐに申請しました。
神戸市中央区諏訪山町に飲食店営業が可能な小さな小さな店舗(直売所)をビジネスパートナーと共同経営開始。※飲食店営業、漬物製造業、菓子製造業の許可取得済
神戸市西区で営農する私達夫婦にとって、どうしても農作業を優先させてしまうため、中央区での店舗運営は距離的なこともあり、思っていた以上に難しく、まだまだ全然うまく活用できておりません。これは当たり前と言えば当たり前のことですが、集客面でもかなり苦戦しています。就農相談の場所や子どもの居場所作りなどに活用したいと考えています。
飲食店営業では、農園で採れた野菜を使って、蒸す、焼くだけのシンプルな調理で、野菜本来の味を楽しんでいただきたいです。私はほぼ毎日食べてますが、具だくさんのお味噌汁も提供したいです。最高にうまいですよー。もちろんうす味で!
圃場面積約2000㎡のビニールハウス7棟をお借りしました。
露地栽培だけでは、どうしても厳寒期の野菜不足に悩まされます。
お声掛けいただけて感謝いたしております。
軽箱のキッチンカー営業許可取得。
神戸市中央区諏訪山町の飲食店を共同経営開始の時に、併せて用意していたキッチンカー。内装と備品の整備を済ませ、ようやく営業できる状態になりました。私がほぼ毎日食べてる具だくさんのお味噌汁を販売する予定です。また、野菜や野菜の加工品の移動販売車としても使えるように行商の申請も行いました
就農をお考えの皆さまに少しでもお役に立てますよう、オンラインやオフラインで相談会など開催していきたいと思っております。もっと踏み込んだお話や気になる数字のお話など、現在の皆さまの現状にあわせた具体的なお話をさせていただけると思います。まだまだ実績と言えるほどのことはできておりませんが、2023年は農地を2件ご紹介させていただきました。今後は定期的な相談会の実施で、準備段階からの長期計画のお手伝いができたらと思っております。専業、兼業、最近は「半農半X」なんて言葉もありますし、神戸市では「ネクストファーマー制度」も創設されております。農業に従事された方々が、私も含めて長く続けていけるように活動したいと思っております。